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鋼板

屋根《鋼板》

現象1 光沢低下、チョーキング

なぜこうなるの?(原因)

太陽光線、雨露、気温や大気中の酸性イオン、塩素イオンなどの影響を受け塗膜が劣化します。また使用地域の環境にも影響を受けます。

メンテナンスを必要とする判断基準

チョーキング(塗膜を手で擦ると白い粉がつく状態)の現象が見られたらメンテナンスを。

メンテナンスの方法

高圧洗浄を行い下地調整のうえ再塗装を行う。

メンテナンスをしないとこうなる(劣化が進行した場合)

チョーキング段階での確実なメンテナンスを怠るとめっき鋼鈑の腐食(錆)に進行する恐れがあります。
早めの塗り替えを行えば下地の亜鉛めっき鋼鈑の寿命を伸ばすことができますが、おおむね30 年を目処として屋根全体のメンテナンスが必要となります。

現象2 塗膜ふくれ

なぜこうなるの?(原因)

劣化が進むと塗膜が薄くなったりふくらんだりして、下地鋼板の腐食がはじまります。

メンテナンスを必要とする判断基準

目視により錆が確認されれば早めのメンテナンスが必要です。
※錆の発生は、めっき層の腐食によるものですが一度腐食するとめっき層の復元は不可能であるため屋根の耐久性は著しく損なわれます。

メンテナンスの方法

腐食(錆)の部分を削り落とし、再塗装を行う。

メンテナンスをしないとこうなる(劣化が進行した場合)

そのまま放置すると、錆の進行が進み鋼鈑に穴があくなどして漏水などの重大な事態を招きます。
※部分的な錆を放置すると健全な部分にもらい錆が移り、一段と劣化の進行が早まるため注意が必要です。

現象3 白錆、赤錆

なぜこうなるの?(原因)

部分的に発生していた錆が全体的に広がり、基材の劣化が一層進みます。

メンテナンスを必要とする判断基準

著しい錆がある場合は、早急にメンテナンスが必要です。
※白錆はめっき層から、赤錆はさらに下の鋼板から発生します。

メンテナンスの方法

屋根全体の作り替え
現在の屋根を新しい屋根で覆ってしまう【カバー工法】や現在の屋根を壊して新しい屋根をかけ直す【葺き替え工法】があります。

メンテナンスをしないとこうなる(劣化が進行した場合)

屋根材の強度が低下し、強風や積雪などで破損し落下する恐れがあります。

よくある質問

Q1 カバー工法とは?

A1

屋根を作り替える工法のひとつで、重ね葺き工法とも呼ばれます。現在の屋根の上にさらに金属屋根をかける、スピーディで便利な工法です。
 
※実際にカバー工法を採用できるかどうかは、現在の屋根の状態を専門家の目で確かめる必要があります。住宅メーカーにご相談ください。

Q2 カバー工法のメリット・デメリットは?

A2

カバー工法は現在の屋根の撤去がほとんど無いため
●撤去費用
●撤去工事の騒音・ホコリ
●廃棄物
などがわずかで済むといったメリットがあります。
 
しかしながら、次のような場合には、葺き替え工法の方が安全・安心といえます。
■現在の屋根の老朽化がかなり進行(今後の耐用年数に疑問)
■すでに一部に漏水が発生(補修が広範囲にわたる可能性)
■カバー工法による荷重増加が耐震性に影響
 
※工法の選択には住宅メーカーによる現状調査と検討が必要です。

豆知識

鋼板屋根の材料は?

材料としてはガルバリウム鋼板がひろく使われています。
ガルバリウム鋼板:塗装溶融55%アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板
塗装亜鉛系のメッキ鋼板の中では、比較的優れた耐食性を示します。裏面からの腐食に対しても強い表面処理鋼板を原板として、図のような層構成で生産されています。

メンテナンスのポイントは?

塗装面の光沢低下⇒色調変化に続くチョーキングが発生した段階でのメンテナンスが大切です。
※チョーキングとは、塗装の表面樹脂が劣化で失われ、顔料がチョークのような粉状になって表われることによりひき起こされるものです。
 
塗膜のふくれや浮きが発生する前の手当てが理想的といえます。